発症
2004年7月21日。普通に仕事してました。午後7時過ぎくらいだったか、胸から背中にかけて嫌な感じの痛みが… ”何となくやばい”と感じ、いそいそと片付けさっさと退社しました。しかし、最寄駅に向かう道中でどんどん痛みはひどくなっていき、最寄り駅に着いた頃にはとても電車で帰る力は残っていませんでした…
”ああ、再発だ”と確信した自分は、一度改札内に入ったものの事情を話して外に出て、タクシーを拾って自宅まで帰りました。帰り着いた頃には痛みも少し治まっていたので、翌日以前お世話になった大学病院で診てもらおう、と決めてさっさと寝てしまいました。
入院
翌日(2004年7月22日)、朝から大学病院に電話して外来の予約を行い、そのままタクシーで病院に向かいました。診察室で、”多分気胸だと思うんですが…”と言うとレントゲンを撮ってくる様にとの指示。レントゲンを撮ってから再度診察室へ。”どうやら再発ですね。右肺が縮んじゃってます。”これで再発が確定です。”このまま入院して処置しましょう”との医者一言。仕事の都合とかあるので明日じゃ駄目ですか？などと抵抗を試みたものの、結局そのまま入院することになりました。
病棟に連れて行かれ、四人部屋の自室に案内されました。”じゃあ、ベッドに横になって”。えっ！？ここで？一体何をするのだ…。まあ、本当は分かっていましたが(^_^;案内された病室で、即脱気することになりました。脱気とは、胸腔ドレナージ（呼び方がいろいろあるみたいですが、本サイトではこの呼び方で統一します）と言って脇に穴あけてチューブを胸腔内まで差込み、外から吸引ポンプで胸腔内に溜まった空気をぬくことで、縮んだ肺を膨らますのです。
ベッドに横になると、医者が肋骨の位置を確認して穴開ける位置を確定。消毒液を大量に塗られた後にぶすっと麻酔を注射されました。2、3回射されたみたいですが、途中から分からなくなりました。その後メスで切開し、太いパイプ（奥まで差し込むチューブじゃなくて、固くて太い金属棒みたいな物。何のために差してるのか未だに分かってません-_-;)を穴に当てて上からがんっ、がんっと力強く押し込んでいます。痛みは無いとは言え衝撃は感じるし、結構恐怖でした。
パイプ差すのが落ち着いたら、そこを通してチューブを奥まで入れられました。この時点で既に自分は痛かったです。チューブが胸膜に当たるので痛いらしいですが、吸引する前から痛いとは先が思いやられる…
入れる物を入れたらいよいよ吸引開始。これで空気が抜けて肺が膨らむのですが、痛いの何の…麻酔の量が少なかったのかもしれませんが、この日から結局手術が終わってチューブを抜くまで、ずっと痛い思いをしてました。
手術
今回は、1月の発症から間が開いておらず連続発症ということもあり、手術でブラ（肺の表面にある薄い風船の様な物体）を取り除くことになりました。ＣＴでブラの位置を確認するのはいいですが、胸に入ってるチューブのせいで横になったり起き上がったりが辛いの何の…また、足のつけ根から採血したのですが（酸素の含有率を見るためとかどうとか）、これも初めての経験でどきどきしました。これは痛くも何とも無かったですが。
入院した翌週の月曜日に手術しました。胸腔鏡手術という、脇に三箇所穴を開けてカメラと手術用の器具を入れ、カメラを見ながらブラを切除するという手術です。全身麻酔で行うのですが、前日夜だったか当日朝だったか不安を和らげる薬（何というか忘れました）を飲んでまして、これのおかげで麻酔前からぼーっとしてました。そのため手術室に運ばれるまでの記憶もあやふやで、手術室に入った記憶はあるのですが、”あー、手術室ってこんな感じなんだ。殺風景だなぁ”と思った次の記憶は”聞こえますかー、聞こえたら声出してください”と手術後医者に声をかけられている記憶でした。全身麻酔をかけようとしていることすら分かりませんでした…
病室に戻ってきて目が覚め始めた頃からしばらくは、正直かなり辛かったです。体質みたいなんですが、人よりも嘔吐感が強く少し吐いたりしてました（普通はそうでもないみたいです）。胸は相変わらずチューブが入っていて痛いし、傷が痛いし、おまけに尿道にチューブが入っていてトイレに行かないでいい様になってるのですが、これがたまらなく痛い！（これも人によるらしいですが…）動ける様になったら抜いてもらえるのですが、胸や背中の痛みは我慢できるがこれは無理！と思い、翌朝即効で抜いてもらいました。抜くのも最悪に痛かったです。看護婦さんに抜いてもらって恥ずかしい…などと思う余裕はありませんでした…
退院
その週の木曜に、ようやく脇から差さっているチューブを抜いてもらえました。実は、チューブを抜いた翌朝（金曜）のレントゲンで肺が縮んでしまっていたのですが、どうもチューブを抜いた際に空気が入ってしまったらしいです。それが判明してすぐ、病室で今度は注射器による脱気を体験するはめに…ベッドに仰向けになり、医者が位置を確認して鎖骨のちょい下くらいに麻酔をぶすっと。これが痛い…二回麻酔を差した後、脱気用の注射気をぶすっと射しました。で、吸気。これも二回程繰り返したと思いますが、正面から注射器を胸に射されるのは、精神的にかなり…まあ、いい体験と思うしか無いですかね。
この騒ぎのおかげで、予定されていた土曜日(2005年7月31日)の退院が延びてしまう所でしたが、土曜の午前中にレントゲンを撮った所肺は無事広がっている状態を保っていたため、土曜の午後に退院しました。その後二週間程経過してから外来を受診しましたが、肺の状態も変化していなかったため、その日で治療は終了しました。
10日間の入院と手術、それに四人部屋の差額ベッド代とやらで計30万円程かかりました。生命保険入ってて良かった…皆さん、保険は大事ですね！